モータースポーツにはどんな競技があるの? 種類と競技内容について

2017年3月1日

モータースポーツと一言でいっても様々な競技がありますが、始めるのに一番のハードルとなるのはやはりお金ですね。

とはいえ、一度はモータースポーツを経験したいと思っている方も多いはず。
なので、当サイトでは

競技車を自家用車として兼用できるカテゴリ

に絞って紹介します。

車を使う以上、所持や維持に相当なお金がかかります。

例えばレースだと、入門クラスでもレース車両作成の他に、公道は走れないので積載車によるレース車両の移動、宿泊代、メカニックの手配および日当、チームスタッフの手当て、タイヤ代、エンジン代、部品代、エントリー費他、一概にはいえませんが、ざっと見積もっても年間千万円単位はかかります。

レース車両やチーム毎レンタルという手もありますが、いずれも数百万円~千万円単位でお金が必要です。
ましてやフォーミュラーカーとなればいわずもがな。
一般的に趣味でできる範囲ではなくプロフェッショナルの世界ですね。

なので、趣味ではなく

本気でレーシングドライバーを目指したい!

という方はオーディションを受けるのが最善でしょう。

上記したレースのように、専用競技車両が必要な競技と比較して競技車を自家用車としても使えるのであれば費用負担がすごく楽になります。
競技カテゴリにもよりますが、趣味として続けながらいずれは国際格式の世界戦に参戦!なんてことも可能です。

ここでは自家用車として競技車を兼用できる競技の競技車のおおよその仕様とかかる費用をカテゴリ毎に紹介します。

自家用車として兼用できる自動車競技

ラリー

一番の特徴は公道を使う競技ということ。

ドライバーとコドライバー(ナビゲーターともいう)の二人で競技に参加する必要があり、ドライバーは文字通り競技車の運転、コドライバーは公道走行時の速度や進行方向をドライバーに指示したり、SS(スペシャルステージ)でのペースノート読み上げによって道路の形状を事前にドライバーに伝えたりするのが主な役目です。

国内では大きく下記二つの競技形式を単独もしくは組み合わせて競います。

リライアビリティラン

公道のある一定区間を指示された速度で走行し、事前に決められた区間内での通過タイムの正確さを競います。

利用する公道やラリーの設定は主催者が事前に決め、公道を管轄する所轄の警察署に申請、許可を得ることで競技が開催可能となります。

【競技内容】
スタート前に主催者から参加者にコマ図と公道での走り方を記載した指示書が渡されます。

指示書には具体的な時間や速度が記載されていて、例えば20時01分に決められた地点をスタートし、xxkm先までは時速xxKmで走りなさい、といった具合です。

[指示書例]
◇スタート時間:20時01分
◇走行はコマ図に従う
◇指示速度:20km先までは時速30Kmで走行
◇指示速度変更指示(通称パスコン:略称PC)
⇒20Km先で指示速度25Kmに変更

コマ図とは、道路に分岐がある地点の形状や方向を示した図と、次のコマ図までの距離が記載された地図のことを指します。

[コマ図の例]

①はコマ図の番号を表し、数字はスタートもしくは前のコマ図からの距離(km)を表します。この例だと、

’2.304km先、信号付十字路を右’

となります。

ドライバーは ’信号付十字路’ が出てくるまで道なりに進み、コドライバーは2.304km先の信号付十字路に近づいたらその交差点を右折するようドライバーに指示するのです。

上記指示書の場合、スタート地点を20時01分にスタートし、時速30Kmで走って20Km先の地点で時速25kmに落として走りなさい、という意味になります。

現実的に20kmの公道区間をずっと時速30kmで走り続ける事は不可能なので、途中信号で止まったり、法定速度の範囲内で時速30kmより速く走ったりします。

ラリーの競技としては、この20kmの公道区間内のどこかにチェックポイント(CP)が設定されていて、いかに指示書の指示速度通りに走行したか、CPでの通過時間をオフィシャルに測定されます。

もちろん参加者にはCPがどこにあるか一切知らされません。

例えばCPが15km先に設定されていたとすると、15km地点の通過時間は

スタート:20時01分

15km先までの所要時間:(距離15km÷時速30km)=0.5(時間)=30分

よって15km地点の通過時間:20時31分

となります。

つまりCPが15km地点だとすると、スタートしてから途中信号などで止まったりしても最終的に15km地点を20時31分に通過すれば減点0ということになり、1秒早かったり遅かったりした時間が秒単位で1点の減点とされます。

CPは複数設定され、リライアビリティランはこの複数あるCPの通過時間誤差の合計で勝敗を競うのです。

さて、ここで疑問を持った方もいると思います。

’指示速度に対する時間の進みや遅れを走りながらどうやってリアルタイムで計るんだ?’

はい、スピードメーターとかではわかりません。

スピードメーターと距離計(スタートからどれくらいの距離を走ったか)と時計があれば計算で導きだせますが、CPがどこに設定されているかはわからないので、ほぼリアルタイムで計算する必要があり、現実的には非常に難しいです。でも!昔は計算板なるものを使ってリアルに計算していたようですね。

さて、この

’指示速度に対する現在の走行地点での時間の早遅をリアルタイムで知る’

ための装備を

’ラリーコンピューター’

といいます。

車の車速センサーと直結させ、走りながら事前にラリーコンピュータに設定した速度と距離に対する時間の早遅(ファイナルタイム:通称ファイナル)をリアルタイムに表示します。

【ラリーコンピューター:CRT-4500】

スペシャルステージ(通称SS)

リアイアビリティランと違って公道の一部を完全に占有して競技車以外の車や人が進入できないように封鎖し、1台づつ等間隔でスタートしてスタート地点からゴール地点までの走行タイムを競います。

公道を封鎖するために事前に道路占有許可証を取得する必要があり、許可証は道路工事などでも使用されているものと同じ様式です。

通常は複数のSSを走行して合計タイムで勝敗を競います。

SS区間は事前走行(レッキといいます)することが認められている場合が多く、ある程度の速度で走りながらドライバーが声に出す道路の曲がり具合等の情報を、コドライバーがノートに書き留めていきます。

このノートのことをペースノートといい、道路の形状(直線や曲がり具合)や危険箇所(滑りやすい、路肩が崖)等を記号や補助語で表したもので、SS中はコドライバーが読むペースノートの情報を聞くことでドライバーができる限り安全かつ、速く走ることができるのです。

ペースノートの作り方に特に決まったルールはないのですが、おおよそはハンドルの切れ角と距離を数値化し、危険箇所や補助語を併記します。

ペースノート例:

20 2Lkeepin 100 7R<200

英語での読み上げ:トゥエンティ、ツーレフトキープイン、ワンハンドレット、セブンライトオープンツーハンドレット
※もちろん日本語で読み上げることもあります

意味:20mで左2のカーブをインについたまま走り、100mの直線後の右7の出口が開けたカーブの後すぐ直線200m

となります。

左2のキツイカーブの100m先が右7の開けたカーブで、さらにその先が200mの直線と事前に分かれば、できるだけ早く手前から加速させてタイムを稼ぐことができるのです。

左2とか右7の設定度合いはドライバーによって違ったりするのですが、ハンドルを10時10分で持って、手を持ち替えないで一番切った状態の基準の位置を ’1’ とし、切る量が少ないほど数字を上げていく場合が多いようです。

ハンドル切れ角の例:

ドライバーによって数字が多かったり少なかったりしますが、こればかりは経験を積み上げて精度を高めていくしかありません。ぺースノートの内容を指示するのはドライバーですが、ペースノートを作成してSS中に走りながら読み上げるのはコドライバーなので、ドライバーのペースを考慮した上でより速く走れるよう、読み上げのタイミングも重要になってきます。

またコドライバーは危険箇所にて障害物にあたったり、コースアウトしないように漏れなく指示することも重要で、ドライバーとのコンビネーションおよびペースノートの正確さがタイムに直結します。

参考までにビデオを紹介しますので、コドライバーが読み上げている言葉を意識しながら見てみてください。

ラリー競技車の仕様

公道を走るのが大前提なので、車検を通らない違法改造はできません。
かといってノーマル仕様のままでは非常に危険なので、おおよそですが下記改造は必須と考えておいたほうがいいでしょう。

◇ロールバー
◇ガード類※ボディ下回りの保護
◇スプリング
◇ショック
◇ブレーキパッド
◇デフ

ダートトライアル(通称ダートラ)

未舗装の、主に土で造られたクローズドコースで一台ずつタイムアタックを行なって順位を決定します。

競技車は公道を走れる範囲での改造が基本なのですが、公道は走れませんがほぼ改造無制限!みたいなクラスもあります。

同じ競技会場でも設定によってコースが変わるため、競技前に必ず慣熟歩行といって、コースを歩いて記憶する時間が設けられます。

また土埃飛散防止のために基本的にコース上に散水をするので、タイムに大きな影響を及ぼす場合があります。

ダートラ競技車の仕様と走行ビデオ

ラリーと同じく基本的に公道を走るのが前提なので、改造車クラス以外は車検を通らない違法改造はできません。
ラリーと同じく、おおよそですが下記改造は必須と考えておいたほうがいいでしょう。

◇ロールバー
◇ガード類※ボディ下回りの保護
◇スプリング
◇ショック
◇ブレーキパッド
◇デフ

ジムカーナ

ダートラとは逆に、舗装されたクローズドコースで一台ずつタイムアタックを行って順位を決定します。

専門コースもありますが、例えば遊園地やスキー場などの広い施設の駐車場とかもよく利用されます。

競技の特徴はパイロンといって赤い三角のコーン(工事現場とかにあるような)を置いて競技毎にコースを設定することです。

なので、競技前に必ず慣熟歩行といってコースを歩いて記憶する時間が設けられます。

競技内容は直線を全開で走ったり、パイロンの周りを一回転(360度ターン)したりとバラエティに富んでいて、車の動かせ方を習得するには持ってこい!の競技ですね。

主観ですが、モータースポーツをこれから始めよう、という方には特にお勧めします。

ラリーやダートラのようにダートを走ることはないので車へのダメージが少なくて済むのと、初級者クラスであれば他カテゴリに比べて改造範囲も少なく費用を抑えることもできますし、コースアウトによる衝突や転倒の心配もありません。

そして何よりジムカーナでちゃんと車を動かせるようになれば、他の競技に移ってもその経験が必ず役に立ちます。

ジムカーナ競技車の仕様と走行ビデオ

ラリーやダートラと同じく基本的に公道を走るのが前提なので、改造車クラス以外は車検を通らない違法改造はできません。
おおよそですが下記改造は必須と考えておいたほうがいいでしょう。

◇スプリング
◇ショック
◇ブレーキパッド
◇デフ

Nゼロ

通常サーキットで走る競技車は公道は走れないのですが、車両の改造範囲を大幅に狭めて公道を走れるナンバー付き車両で行うレースがNゼロです。

車両の改造範囲はロールバーおよびダンパーやスプリングなどのサスペンションの一部や、マフラー、駆動系の一部、車両寸法以内のエアロ パーツ等に限ら、レースによっては駆動系の改造も禁止されます。

できるだけ費用をかけずにより多くの人にレースの門戸を開くために創設された規定なので、ほぼイコールコンディションでドライバーの運転技術を競うことができます。

Nゼロ競技車の仕様

公道を走るのが前提で車検を通らない違法改造はできません。
改造範囲も厳密に定められています。

◇ロールバー
◇スプリング
◇ショック
◇ブレーキパッド
◇デフ
◇マフラー

※レースによっては改造できない項目もあり

ラリー/ダートラ/ジムカーナ/Nゼロ競技車におおよそかかる費用

車両代に加えておおよそ部品代+工賃で100万円前後といったところでしょうか。
カテゴリーや車種や部品、改造内容によっても大きく費用が変わってきます。

またNゼロは自動車メーカーがコンプリートカー(最初から車両規定に合致した改造が加えられた車)を販売していたり、モータースポーツショップがレース車両を貸出していることもあります。

それと最初は中古競技車を探してみるのも一つの手でしょう。
インターネットに掲載されていなくても、モータースポーツショップのツテで競技車を手に入れられることも多いです。

全国のモータースポーツクラブ拠点が検索できるので、まずは居住地に近いショップを探していろいろ話を聞いてみましょう。

全国モータースポーツショップガイド

次は実際に競技に参戦するためのステップを紹介します。
競技参戦への準備と心構え

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